植生復元実験(吉澤橋) 2008年〜2018年

野川は帰化植物が多くなってしまいました。
かっての世田谷の水辺の風景がよみがえることを願い、
吉澤橋下流の整備工事後の岸辺で、土地使用の許可を得て、実験を行いました。


”ヨシを主とした在来植物の群落回復”を目的とした
「野川の水辺植生回復計画」を立案し、
2008年10月より月一度、第三金曜日に定期的に活動しています。

現地にて生育状況を観察調査し周辺環境を整えると共に、
必要があれば移植を繰り返してきました。
その結果、徐々にではありますが、植物が根付き、群落が形成されつつあります。

移植した在来植物はいずれもイネ科で、
オギ、クサヨシ、ジュズダマ、チガヤ、トダシバ、ススキ、ヨシの7種としました。


2011年3月の時点で、得られた結果です。


          ○堤外地に見られるオギ、ジュズダマ、チガヤ、トダシバ、ススキ、ヨシは、株移植後も生育しました。
          ○クサヨシは移植に適した環境条件に留意しないとむずかしい。
          ○ヨシを水辺に移植する際は、流出防止策をとる必要があります。

          ○ジュズダマのように、種子採種から実生苗を移植する方法もあります。
          ○移植株を外来種など繁殖旺盛なものから保護する必要があります。
          ○特に施肥の必要はないが、適地適種を考慮することが重要です。


 
天神森橋植生復元実験(2005〜2006年)


野川には都市河川特有の植物が多く分布しています。
それは帰化植物です。
帰化植物とは外国からやってきて日本に定着した植物。
この植物がすべていけないという訳ではありませんが、
やはり野川に昔から生えていた植物の方が
地域に馴染んだ風景を形作るのではないでしょうか。

そんな考えから、
野川の一部に実験区を作り、帰化植物の駆除を行い、
在来種の種や苗を植える活動をしています。

1年間続けたところ、
川辺の植物の様子が変わってきました。


野川の上流や
多摩川との合流付近で
さまざまな在来種の種を
採取しました。
在来種の種と
粘土を一緒にこね合わせ、
「粘土だんご」を作りました。
いろいろな在来種の種が入った
おだんごです。
粘土だんごを播く場所を
整地しました。
帰化植物の若芽も
除去しました。
河原に生えている
帰化植物を丁寧に取り除きました。
整地し、帰化植物を除去した場所に
粘土だんごを播きました。
ヨシやオギなどの
苗も植えました。
初夏から夏はただひたすら
帰化植物の除去作業です。
丁寧に取り除きました。
草刈りを定期的に行うことで
帰化植物の繁殖を抑えました。
植生復元実験をはじめて
半年後の実験区。
明らかに他の場所と
植生の様子が違っています。
(緑の鮮やかな部分が実験区)
今までこの場所になかった
在来種を発見。
(タカサブロウ)
同じく在来種の
ヤナギタデ。

少しずつ、野川に昔から生えている
植物が増えてきました。

「植生復元」活動の詳しい活動内容は
こちらをご覧下さい。



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